HDDから異音がする場合の対処法

2021-6-2

多くのパソコンに搭載される記憶装置として誰もが知っている「HDD(ハードディスク)」。最近では外付けタイプの機器も販売されていますし、大容量のものでも安価で購入できるので、保存データの管理用として活用している方は多いのではないでしょうか?

しかし、HDDは 一度購入すれば永久的に使用できる機器ではありません。平均寿命は約3~5年と言われていますし、非常にデリケートな機器なので劣化だけでなく衝撃が加わることで故障しやすいと言われています。

また、機器に何らかのトラブルが発生した場合、故障を知らせる聞きなれない異音が発生することがあります。この記事では、そんなHDDから異音が発生した場合の対処法についてご紹介していきます。

 

<h3>トラブルによって発生する異音とは?</h3>

HDDに異常がある場合には普段からは聞きなれない音が発生することがあります。しかし、正常な起動音と異音の区別がつきにくいという方は多いのではないでしょうか?そこで、ここでは正常時の音と異音の違いをまとめてみました。聞きなれない音に不安を感じている方は、以下でご紹介する音の違いを参考にしてみてください。

 

<h4>正常に起動しているときに発生する音</h4>

以下でご紹介する2種類の音は、機器に問題がなく正常に起動しているときに発生している音です。

 

【ブーン、またはブオーン】

パソコンの電源を入れると内部で発生する熱を外部に逃がすために、冷却ファンが回転を始めます。その際に「ブーン」または「ブオーン」といった駆動音が発生しますが、得に問題はなく正常に起動しているので気にする必要はありません。

しかし、冷却ファンの駆動音がいつにもまして大きいと感じた場合は、劣化が進んでいる、またはホコリが溜まって内部が汚れている可能性があります。このまま放置するとトラブルの原因になるので、データのバックアップや内部の掃除を行うことをおすすめします。

 

【カリカリ、またはジージー】

パソコンの使用中に「カリカリ」または「ジージー」といった音が発生しますが、これはデータの読み書きを行う際に発生する駆動音です。この音はシーク音というもので、機器にトラブルが発生しているわけではないので気にする必要はありません。

しかし、シーク音が鳴っている際に何らかの衝撃を加える、強制的にパソコンの電源を切るなどを行うとトラブル発生の原因になります。HDDは非常にデリケートな機器なので、取り扱いや過度な負荷をかけないように注意しましょう。

 

<h4>トラブルによって発生する異音</h4>

何らかのトラブルが発生している場合には、以下のような異音が発生します。

 

【シーッ、またはシャー】

正常な駆動音とは別に「シーッ」または「シャー」といった音が聞こえてはいませんか?これは機器内部で磁気ヘッドとプラッタが接触することで擦れ合ってしまい、プラッタの回転にトラブルが発生した際に聞こえる異音です。

そのまま使用を続けると重度の物理障害を招いてしまうため、このような音が聞こえた際にはすぐに使用を中止してください。最悪の場合はデータ復旧も困難になるので、プロのデータ復旧業者でも対応が困難になる可能性が高くなります。

 

【カタカタ、カチカチ、キュルキュルなど】

パソコン本体、または外付けHDDから「カタカタ」「カチカチ」「キュルキュル」などの音が聞こえてはいませんか?これらは機器内部のデータの読み書きを行う部品の故障によって発生している異音です。

この状態で使用を続けていると完全に故障してしまい、パソコンが起動しなくなります。また、データ復旧も困難になる、または復旧不可能になる可能性が高くなるので、すぐに使用を中止して修理業者またはデータ復旧業者に相談しましょう。

 

【カチャカチャ、カックンカックンという激しい音】

機器の使用中に「カチャカチャ」または「カックンカックン」といった激しい音が聞こえてはいませんか?これらは連続して音が鳴り、完全に故障してしまう寸前の状態を表している異音です。

この異音が発生している状態でHDDの使用を続けると機器の寿命を縮めてしまうことになります。また、自分でデータを取り出そうとすればさらに状態が悪化してしまい、データ復旧業者でも復旧不可能になることがあるので、すぐに使用を中止してください。

 

異音が発生したときの3つの対処法

異音が発生したときですが、基本的にはすぐに機器の使用を中止することが大切です。しかし、そのまま使用できなければ作業が進まないので、何かしらの対処法を知っておきたいものです。

そこで、ここではHDDから異音が発生したときの対処法を3つご紹介していきます。「何か聞きなれない音がして不安…」「すぐにトラブルを改善したい」という方は、ぜひ以下でご紹介する対処法を参考にしてみてください。

 

データのバックアップと機器の交換

異音が聞こえる状態の機器は使用できなくなる場合がありますが、まだ起動できる状態であればデータのバックアップを行いましょう。バックアップができればデータ復旧業者に依頼する必要がなく、その場で大切なデータを保護することができます。

そして、バックアップが完了したら新しい機器に交換して安全に使用できる状態にする、または新しいパソコンに買い替えるなどを行いましょう。

 

すぐにPCを起動させたいなら修理業者へ相談

データのバックアップ済み、またはデータよりもパソコンの使用を最優先される方は、メーカー修理やパソコン機器の修理業者に相談してみましょう。修理業者であれば故障しているHDDの交換を行ってくれますし、プロが対応してくれるので交換後も問題なく安全に使用することができますよ!

 

保存データの復元を優先するならデータ復旧業者へ相談

機器よりも保存データの復元を優先したいのであれば、データ復旧業者に相談しましょう。最近では自分でデータを復元できるデータ復旧ソフトが普及していますが、異音が発生している状態の機器には使用することができません。

というのも、データ復旧ソフトはソフトウェアに異常がある論理障害に対応しているツールで、異音が発生する物理障害はハードウェアの異常なので非対応となっているからです。しかし、データ復旧業者であればトラブルの原因を問わずデータ復旧が可能ですし、復旧成功率も高いので安全に目的のデータを復元することができますよ!

 

HDDから異音が発生した際のNG行為

何らかの異常が現れた場合には異音が発生するとご紹介しましたが、このときに絶対にやってはいけない行為がいくつかあります。以下でご紹介するNG行為を行うとデータ復旧が困難になるので、異音が発生した場合の機器の使用にはご注意ください。

 

PCの使用を続ける

異音が発生している状態でのパソコンの使用は、機器の状態悪化を招くので危険です。最悪の場合はプロのデータ復旧業者でも復旧が不可能になるケースも少なくないので、異音が発生した場合はすぐに使用を中止して、すぐの専門業者に相談することが大切です。

 

PCの再起動を繰り返し行う

トラブルが発生した場合、機器の再起動を行うことで改善される場合があります。しかし、障害が発生している、または故障している機器に通電するのは状態悪化に繋がるため、場合によってはデータ復旧が困難になります。そのため、異音が発生したにパソコンの再起動を繰り返す行為は控えてください。

 

HDDを分解する

異音の原因はHDDのトラブル発生であることを知っている方の中には、機器を分解して自分で修理をする方もいるようです。しかし、分解することで内部にホコリが1粒でも付着すると故障してしまいます。

また、分解による修理には専門的な知識と高度な技術が求められるため、安易な行為はデータ消失の原因になるので危険です。

 

異音に気づいたらすぐに使用を中止すること

HDDの異音は何らかのトラブルが発生していることを表す警告のようなものです。音の種類によっては故障寸前に状態を示している場合もあるので、聞きなれない音が発生している場合はすぐに機器の使用を中止しましょう。