HDDが水濡れ・水没した際の対処方法

2021-6-29

パソコンや外付けHDDを利用している方の中には、水濡れや水没といったトラブルを経験された方はいませんか?例えば、ノートパソコンを使っている最中に飲み物をこぼしてしまった、自然災害で泥水に浸ってしまったなど、トラブルの発生にはさまざまな原因があると思います。

このような場合、皆さんはどのように対処していますか?HDDはとてもデリケートな機器なので、もしも間違った方法で対処してしまうと、大切なデータを全て失ってしまうことになります。

しかし、HDDが水に濡れてしまったときにやってはいけない行為と正しい対処法を知っておけば、トラブルが発生した場合でもデータを守ることができます。そこで、今回はHDDが水濡れ・水没した際の対処法についてご紹介していきます。

 

水濡れや水没時の正しい対処法

HDDを誤って水に濡らしてしまった、突然の災害で水没してしまったなど、このような場合には正しい対処法を行うことで保存データを守ることができます。とはいえ、急なトラブルが発生すると誰もが慌ててしまい、間違った対処をしてしまうことが多いのではないでしょうか?

そこで、ここでは水濡れ・水没のときに知っておくと役立つ正しい対処法をご紹介していきます。どういった手順で対処するのかをまとめているので、今後のためはもちろん、現状で水没が発生している方もぜひ参考にしてみてください。

 

手順1:機器の表面に付いた汚れを拭き取る

パソコンや外付けHDDなどの機器が水に濡れてしまった場合、まずは機器の表面に付いて汚れを拭き取ってください。汚れを拭き取る際には水に濡らしてしっかりと絞ったタオルを使います。

また、汚れを拭き取る際には、キーボードや通気口などの隙間から汚れ・ゴミが内部に入り込まないよう慎重に行いましょう。ちなみに、内蔵型HDDの場合は拭き取り作業を行うことで内部に汚れが入り込む危険性があるので、拭き取り作業を行う必要はありません。

 

手順2:水で濡らしたタオルで機器を包む

汚れを拭き取ることができたら、次は水で濡らしたタオルに水没した機器を包んでください。このときに使用するタオルは少し強めに絞ったくらいの状態で大丈夫です。屋外や災害時など手元にタオルがないという場合は、余っている衣類や新聞紙などの紙類を使用すると良いでしょう。

ちなみに、災害時の場合は周囲に使える水道がない場合があると思います。そのような場合はできるだけキレイな水を探して使用してください。また、デスクトップ型のパソコンの場合、本体をそのままタオルで包むのは難しいと思います。

この場合、もし内蔵HDDを取り出せるのであれば、本体から取り出してHDDそのものを濡らしたタオルで包んでおきましょう。ノート型パソコンや外付けHDDの場合はそのまま包んでおいても大丈夫です。

 

手順3:チャック付きのビニール袋で密閉する

濡れたタオルで包むことができたら、乾燥しないようチャック付きのビニール袋に入れて密閉しておきましょう。この作業に関して「乾燥させなくて大丈夫なの?」と思う方は多いと思いますが、乾燥させてしまうと状態を悪化させる恐れがあるのでこのような作業が必要になります。

また、もしもチャック付きのビニール袋が手元に場合は、通常のビニール袋に入れた後に口の部分をしっかりと縛っておく、またはゴムを使って密閉に近い状態を作るなどをしておけば大丈夫です。

 

手順4:早急にデータ復旧会社に相談する

手順1~3までの作業を完了させた後は、できるだけ早くデータ復旧会社に相談しましょう。水濡れや水没といったトラブルは物理障害に該当するため、自分で対応することができません。

しかし、データ復旧会社であれば物理的・論理的な障害を問わず対応しています。また、高度な技術を持つスタッフが対応してくれますし、整った設備の中で処置を行ってくれるので、安全にデータを取り出すことが可能となっています。

ですが、これまでにご紹介した手順を行っていない場合、機器の状態が悪化してしまいプロでも対応が難しい、または対応不可になる場合があります。つまり、トラブルが発生したHDDの保存データを守るには正しい手順を踏むことが重要になると言えるでしょう。

 

水濡れ・水没したときのNG行為

前章では水濡れ・水没時の正しい手順についてご紹介しましたが、ほとんどの場合が間違った行為を行ってしまうケースが多いです。というのも、急なトラブルが発生すると誰もが焦ってしまうからです。

しかし、間違った行為の中には取返しのつかない事態を招く恐れがあります。そこで、ここでは水濡れ・水没したときに絶対にやってはいけないNG行為をまとめてみました。トラブルは突然発生することが多いので、ぜひ以下でご紹介する4つのNG行為を参考にしてみてください。

 

NG行為その1:機器の電源を入れる

1つ目のNG行為は、一度でも水に濡れた機器の電源を入れることです。水に濡れてから時間が経過すると、内部も乾いていると思い電源を入れて起動確認をしてしまう方が多い傾向があります。

しかし、時間が経過していても内部は濡れている状態であることが多いので、その状態で通電を行ってしまうと漏電してしまう恐れがあります。漏電すると機器の状態悪化を招く恐れがありますし、最悪の場合は感電・火災を引き起こす危険性も十分にあります。

水濡れ・水没した機器への通電はデータを失うだけでなく、思わぬ事故を引き起こす恐れがあるので、絶対に電源を入れないよう注意してください。

 

NG行為その2:乾燥させる

どんなものでも濡れた場合は乾燥させれば大丈夫だと考えてしまいますが、HDDの場合は乾燥させてはいけません。というのも、HDDは内部に円盤型をしたプラッタと呼ばれる部品が使用されており、この部品がデータを保存しているものでもあります。

このプラッタはホコリが1粒でもついてしまうと故障するほどの繊細な機器です。そして、水に濡れたHDDを乾燥さえた場合、水に含まれる不純物が付着してしまうことで状態悪化や故障を招く恐れがあります。

そのため、水濡れや水没時には乾燥させてはいけないと言われているのです。ですので、水没したからといって乾燥させるのではなく、水分が蒸発しないよう対処しておくことが重要なポイントになります。

 

NG行為その3:付いた汚れを水で洗い流す

自然災害などで水没した場合、泥汚れが付着してしまう場合が多いと思います。そのため、付いた汚れを水で洗い流した方が良いと考える方は多いと思いますが、これはNG行為となっています。

その理由は、洗い流す際に機器の内部に汚れやゴミが流れ込んでしまい、プラッタをキズつけてしまう可能性が高くなるからです。そうなるとデータ復旧会社に依頼しても復旧が困難な状態になってしまうので、汚れているからといって絶対に水洗いをしないよう注意してください。

 

NG行為その4:機器を分解して内部を掃除する

水没でHDDが汚れた場合、人によっては分解して内部を掃除しようと考える方が多いようです。しかし、この行為は絶対にやってはいけないNG行為です。分解することで空気中のホコリが付着する、掃除によってプラッタを傷つける可能性が非常に高いので、故障の原因になります。

傷ついたプラッタからのデータ復旧はプロでも難しいものになるので、データ復旧を確実に行うのであれば分解作業をしないようにしてください。

 

データ復旧業者はDRAJ加盟企業から選ぼう!

水濡れ・水没したHDDにご紹介した対処法を行った後は、データ復旧会社に相談してください。そして、その際に相談するデータ復旧会社ですが、データ復旧協会DRAJに加盟している企業から選ぶことが推奨されています。

DRAJ加盟企業は悪徳業者の撲滅に向けた活動を行っており、安心・安全なデータ復旧サービスを提供しています。信頼性が高く情報漏洩の心配もないので、データ復旧を依頼する場合は加盟企業から依頼先を選びましょう!