HDDをSSDに換装するには?その方法と注意点

2021-8-30

HDDは一般的によく利用されている記憶装置ですが、処理速度が遅く衝撃や熱に弱いといった弱点があります。一方、SSDは処理速度が非常に早いためサクサクと作業を進めることができますし、衝撃や熱に強い性能を持っています。

そのため、最近では最初からSSDが搭載されているパソコンが販売されている、または今お使いのパソコンに換装する方などが増えていると言われています。そこで気になるのが「どうやって交換すればいいの?」という換装方法ではないでしょうか?

そこで、今回はHDDからSSDに換装する方法についてご紹介していきます。他にも、換装するメリット・デメリット、換装時の注意点などもご紹介しているので、記憶装置の交換を検討している方は、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

 

HDDからSSDへの換装方法

単純に考えると、「内蔵されているHDDを取り外してSSDを取り付ければ良いのでは?」と考える方は多いのではないでしょうか?しかし、ただ交換するだけではパソコンを使用することができません。

ここでは、そんなSSDへの換装方法について4つの手順をご紹介していきます。正しい手順に従って作業を行えば初めての方でも簡単に行えるので、ぜひ以下の内容を参考にしながら機器の交換を行ってみてください。

 

手順その1:購入したSSDのフォーマットを実行

まず、最初に行う作業は購入した換装用のSSDをパソコンに接続してフォーマットを実行することです。接続したらエクスプローラーを開き、左側の縦帯から「PC」を選択します。選択後、「デバイスとエクスプローラー」の欄に接続したSSDが表示されるので、右クリックを押してフォーマットを選択します。

その後、「NFTS」を選択して開始ボタンをクリックすれば完了となります。フォーマット作業自体はそれほど難しくないので、換装作業が初心者でも比較的に簡単な作業だと言えるでしょう。

 

手順その2:HDDからSSDにデータを移行する

換装後に今までと同様にパソコンの使用ができるように、元々のHDDのデータを新しいSSDに移行する作業を行います。データ移行といっても単純なデータファイルのコピーではなく、元の状態を丸ごと複製する「クローン」と呼ばれる作業になります。

このクローン作製には専用のソフトを利用します。ネット上では「EaseUS Todo Backup Free」と呼ばれる無料ソフトがおすすめされているので、SSDへと換装する方はインストールしておくと良いでしょう。また、クローンをするソフトによって使い方や操作性が異なるので、作業に失敗しないためにも正しい使い方を把握しておきましょう。

 

手順その3:記憶装置を交換する

クローンの作成が完了したら、既存のHDDと換装するSSDの入れ替えを行います。この作業ではパソコン本体から記憶装置を取り外す作業を行うのですが、使用するパソコンによって取り外し方が異なります。

例えば、タワー型であれば外側のカバーを取り外す、ノート型であれば背面のカバーを外すなどの違いがあります。また、細かい分解作業に関しては使用しているパソコンによって異なるので、取扱説明書やネット上などから事前に調べておく必要があるでしょう。

 

手順その4:PCを起動して動作確認を行う

交換作業を終えたあとは、パソコンの電源を入れて動作確認を行います。作業工程で問題があった場合、電源を入れても起動しないことがあります。そのため、換装作業を終えた後は必ず正常に起動するのかを確認しておきましょう。

 

SSDへ換装するメリットは?デメリットもあるの?

これまでの内容から、HDDからSSDへの換装方法はお分かりいただけたと思います。しかし、換装するにあたって何もメリットがなければ作業を行う必要がありませんよね?また、記憶装置を交換することで大きなデメリットがあるのであれば、現状のままで良いと考える方も多いはずです。

そこで、ここではSSDへ換装するメリットとデメリットについてまとめてみました。結論から言うと、換装するメリットは確かにあるのですが、同時にデメリットも存在します。そのため、もしも換装作業を行うのであれば以下でご紹介する内容をしっかりと把握しておきましょう。

 

換装するメリット

使用中のパソコンに内蔵されたHDDをSSDへと交換するメリットには、処理速度が高速になる以外に以下のようなものがあります。

 

【耐衝撃に優れていて熱にも強い】

複雑な構造をしているHDDに対して、メモリーチップを採用しているSSDは衝撃に強いといった特徴があります。これは外付けタイプの機器も同様なので、持ち運びをする際にも故障の心配がないというのは嬉しいポイントです。

また、熱にも強い機器なので、起動中の発熱が原因でデータトラブルが発生するリスクの軽減も期待できます。デリケートはHDDに比べて扱いやすというのは、SSDに交換する大きなメリットだと言えるのではないでしょうか?

 

【消費電力が少ないから発熱も少ない】

SSDはHDDよりも消費電力が少ないため、ノート型パソコンに使用するのであればバッテリーの消耗を軽減することが可能となります。また、消費電力が少ない=発熱が少ないことになるので、パソコン内部が高温状態になり動作が遅延する心配がありません。

 

【作動音が気にならない】

パソコンで作業をしている最中に作動音が気になるという方はいませんか?HDDの場合、データを記録する円盤型の部品が高速で回転するため、起動中はどうしても作動音が発生してしまいます。

一方、SSDの場合はメモリーチップにデータを記録するので、多少の作動音はするものの比較的に静かに使用することが可能です。そのため、作動音が気になる方はもちろんですが、使用する場所を選ばないといった点もメリットの1つとなっています。

 

換装するデメリット

記憶装置の交換にはいくつかのメリットがありますが、以下のようなデメリットも存在します。換装を検討している方は、以下の内容も把握した上で実行しましょう。

 

【HDDに比べて価格が高い】

近年、SSDの価格は安くなってきたと言われていますが、HDDに比べるとまだまだ価格が高いというのが現状です。性能が高いものや容量の大きなものになればなるほど高額になってくるので、求める性能・容量によっては大きなコストがかかるといったデメリットがあります。

 

【規格の異なる製品が多い】

販売されているSSDは規格が異なる製品が多いと言われています。本体のサイズやコネクト部分の形状など、製品によっては異なるため、安易に購入すると使用しているパソコンの規格に合わずに接続できない場合もあるので注意が必要です。

 

【データ復旧の難易度が高い】

記憶装置には寿命があるのでいずれは故障してしまう消耗品です。そのため、もしもトラブルが発生した場合にはデータ復旧作業が必要になります。しかし、SSDからのデータ復旧はHDDに比べて難しいと言われているので、最悪の場合はデータ消失のリスクを伴う可能性があります。

また、機器の故障は突然起きてしまうことが多い傾向があります。そのため、保存データを安全に守るのであれば定期的なバックアップを行う必要があるでしょう。

 

事前に知っておくべき換装時の注意点

HDDからSSDに換装する際にはいくつかの注意点があります。換装作業を安全に完了するためにも重要なポイントをまとめてみたので、ぜひ参考にしてみてください。

 

購入前に必ず規格を確認すること

SSDは販売されている製品によって規格が異なりますし、お使いのパソコンに適応した規格でなければ換装できません。そのため、交換先となる記憶装置を購入する際には必ず規格の確認を行っておきましょう。

 

PCによっては換装できない場合がある

パソコンメーカーによっては独自の規格で製造した純正の機器でなければ交換できない場合があります。また、独自規格で製造されているパソコンによっては既存の記憶装置に取り外しが困難な場合もあるため、換装作業ができない場合があると言われています。

もしもお使いのパソコンの規格がわからないという方は、事前に取扱説明書(マニュアル)を確認する、またはメーカーのサポートセンターに確認を取っておくことをおすすめします。

 

データ移行作業が上手くいかないことがある

換装作業に必要なクローンの作成ですが、何らかが原因でデータ移行が上手くできないことがあります。このような場合は自分でデータ移行を行うのは困難なので、クローン作製を依頼できる専門業者に相談してみると良いでしょう。

 

換装することで快適な作業を実現できる!

SSDはデータの読み書き等の作業を高速で行うことができるので、パソコン作業をサクサク進めることができるようになります。また、衝撃や熱に強く消費電力が少ないなどのメリットが豊富なので、換装することで安全かつ快適な作業を実現することが可能となります。

換装作業も正しい手順と方法で行い、注意点をしっかりと把握して行えば難しいことではありません。機器の分解や取り外しの知識と技術は必要ですが、素人でもできる作業範囲なので、SSDへの交換を検討している方は、ぜひこの記事を参考にして換装を行ってみてください。もし自分でうまくいかなかったときは、データ復旧協会のDRAJに相談してみてください。万全のセキュリティ対策も行っている企業が所属しており、重要なデータの復旧依頼も安心して行えます。実際に、個人だけでなく企業も利用しているほど信頼性の高いデータ復旧会社なので、もしもの場合にはデータ復旧を依頼してみてください。