HDDが適正温度を超えると故障するのか?
パソコンを利用されている方の多くは、容量が大きくても安価で購入できるHDDを活用しているのではないでしょうか?内蔵型もあれば外付けタイプの製品も販売されているので、目的に合わせて使い分けることができます。
そんな記憶装置ですが、電源を入れて起動すると次第に熱が発生してしまうのですが、内部が高温になりすぎてしまうとHDDは故障してしまうと言われています。そこで気になるのが機器の適正温度なのですが、何度以上になると故障に繋がってしまうのでしょうか?
この記事では、HDDの適正温度についてご紹介していきます。そもそも、適正温度を超えると本当に故障してしまうのか、故障した場合のデータを復元するにどうすればよいのかなどをご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。
目次
HDDの適正温度ってどれくらい?測定方法は?
HDDは記憶装置の中でも非常に繊細な機器なので、熱に弱く高温状態で使用しているとデータトラブルの原因になることがあります。とはいえ、使用する上で構造的に熱を発生させてしまうため、ある程度の温度までであれば安全に利用することが可能です。
そこで皆さんに質問ですが、HDDの適正温度がどれくらいなのかを知っていますか?よほどパソコン関連に詳しい方であれば知っているかと思いますが、ほとんどの方は知らない場合が多いことでしょう。ここでは、安全に記憶装置を利用するためにHDDの適正温度についてまとめてみました。
HDDの適正温度は0~50度未満
パソコンや外付けHDDを使用している方であればご存じだと思いますが、機器の電源を入れて使用していると徐々に熱を帯びてきます。
これは、データが書き込まれる円盤型のプラッタと呼ばれる部品が高速で回転することで発生する仕組みです。
そのため、発熱すること自体に問題はありませんが、安全かつ正常に起動できるのは0~50度未満の状態だと言われています。具体的には約20~40度だと言われていますが、発熱時の温度が50度を超えていなければ正常だと判断してよいでしょう。
温度を測定できるチェックソフトで確認できる
適正温度は50度未満であることはお分かりいただけたと思いますが、その温度を確認する方法を知っている方は少ないでしょう。HDDの適正温度は、専用のソフトを使用することで機器の表面温度を確認することができます。
よくおすすめされているのは無料で利用できる「CrystalDiskInfo」。発熱はしていても適正温度であれば青色で「正常」、問題が検出された場合は黄色で「注意」や赤色で「異常」と分かりやすく表示されます。
このように、温度をチェックできるソフトを利用すれば「あれ?いつもより温度が高いかも」と気になった時点ですぐに確認できるので、熱によるデータトラブルの対策として1つはインストールしておくことをおすすめします。
適正温度を超えるとHDDは故障する?
適正温度を保った状態であれば安全に利用することができますが、熱に弱い記憶装置なので50度を超えてしまうと何らかの不具合が発生することがあります。そのため、高温状態での利用は避けるべきだとされていますが、もしも適正温度を超えてしまうと故障してしまうのでしょうか?
ここでは、適正温度を超えた場合のHDDの状態について温度別にまとめてみました。発熱時の温度によってはいつ故障してもおかしくない危険な状態になる場合もあるので、安全にHDDを利用しつつ大切なデータを守るためにも、以下でご紹介する内容を参考にしてみてください。
50度を超えると壊れやすい状態になる
適正温度である50度を超えた場合、1度でも温度が高くなるにつれてHDDの寿命が短くなると言われています。
高温状態であることに気づくことができなければ徐々に温度が高くなっていくので、その状態でパソコンや外付けHDDを使い続けている壊れやすい状態になってしまいます。
ちなみに、HDDの平均寿命は約3~4年といわれていますが、使い方次第ではより長い期間利用することも可能です。しかし、適正温度を超えた状態で利用していると3年未満で故障する可能性が高くなるので、定期的に温度チェックを行うことをおすすめします。
60度になるといつ壊れてもおかしくない
発熱時の温度が60度にまで達してしまうと、使いのHDDはいつ壊れてもおかしくない状態になります。そのため、作業中に突然機器を利用できなくなる、不具合が頻発するなどの症状が現れてくることが予測されます。
また、突然故障する可能性が高い状態なので、データのバックアップを取っていなければ故障した時点で保存データを全て失うといったリスクを伴います。さらに、この場合は物理的な障害による故障なので、データ復旧の難易度が高くなる恐れがあります。
65度まで高温になると故障する
適正温度をはるかに上回る65度になってしまうと、その時点で故障してしまうと言われています。とはいえ、パソコンや外付けHDDを使用している最中であればこれほどの高温になるまで気づかないということはないでしょう。
しかし、普段から機器の電源をつけたままにしている方の場合、知らない間に機器の内部が高温状態になってしまい、そのまま故障してしまう可能性もあります。HDDやその他の記憶装置は使用時間が長くなるにつれて温度が上昇していくので、使用しないときは電源をきるようにしておきましょう。
故障したデータの復元は自分でできない
故障したHDDからデータを復元する場合にはデータ復旧を行う必要があります。そして、最近ではデータ復旧ソフトを使って自分で復旧する方法などがネット上で紹介されていますが、故障したHDDから自分で復元することはできません。
もしも高温が原因で故障したHDDからデータを取り出す場合には、専門的な知識と高度な復旧技術を持つ「データ復旧専門会社」への依頼が必要です。依頼費用は障害レベルによって異なり、障害レベルが高くなるほどに料金は高額になるので、できるだけ機器の温度には注意を払い安全に利用することを心掛けましょう。
温度が高いと感じた時にできる対処法
作業中にパソコンや外付けHDDの温度が高いと感じた場合、何か対処法はないのかと考えている方は多いのではないでしょうか?結論から言うと、高温時の対処にはいくつかの方法があります。
ここでは、温度が高いと感じた時にできる4つの対処法をまとめてみました。温度を下げるだけでなく、HDDの寿命を延ばすことにも繋がる方法でもあるので、ぜひ以下でご紹介する内容を参考にしてみてください。
パソコンの内部を掃除する
パソコンの本体にはあらゆる場所に隙間があり、そこからホコリが入り込んでしまいます。そして、そのホコリが機器内部に溜まってしまうと冷却ファンが起動していてもしっかりと熱を逃がすことができなくなります。
その結果、熱暴走を起こしてしまい故障に繋がってしまうため、定期的に機器内部の掃除をしてあげることで高温状態になる状態の対処・予防が可能です。
機器を設置している室内温度を調整する
気温の高くなる夏の時期は室内温度が高くなりがちなので、機器の温度が高いと感じた場合にはエアコンの温度を調整してみましょう。室内温度を調整するだけでも機器が高温状態になることを防ぐことができますし、現時点で温度が高いと感じた場合の対策にもなります。
冷却台やサーキュレーターを設置する
人によっては冷却台やサーキュレーターを使って温度が高くなった機器の熱を抑える方法を実践している方もいるようです。冷却台はノート型パソコンに使用するアイテムで、パソコン本体の下に敷いて利用するものです。
熱を下げる機器なので温度上昇の予防・対策に効果的なので、ノート型パソコンをメインで活用している方にはおすすめです。また、サーキュレーターは小型の扇風機のようなアイテムです。タワー型・ノート型を問わず活用できますし、小型ですがパワーもあるので試してみてはいかがでしょうか?
もしもの時には「データ復旧協会DRAJ」に相談しよう!
使用しているHDDがもしも熱によって故障した場合、データを取り戻すのであれば「データ復旧業界DRAJ」の加盟企業に相談してみてください。
DRAJは高い信頼性・復旧技術・セキュリティ対策に定評のある企業団体です。
また、データ復旧専門会社の中には悪徳業者も存在するのですが、DRAJは悪徳業者の撲滅に向けた活動を行う企業団体でもあります。
あらゆる障害からのデータ復旧の成功が期待できるので、もしもの時にはぜひ加盟企業に相談してみてください。