NASが故障する原因5選とその対策

2021-4-7

近年、さまざまな企業で使用されている「NAS」は、一般的な外付けHDDと比較して保存容量が大きく耐久性に優れている記憶装置です。複数人、または複数のデバイスでのデータ共有が可能なので、ビジネスの場では重宝されているようです。

そんな優秀な記憶装置ですが、何らかの理由で故障してしまうことがあります。機器の故障は突然起きてしまうケースは多く、どうすれば良いかわからず焦ってしまう方は多いのではないでしょうか?

そこで、この記事ではNASが故障する原因とその対策についてご紹介していきます。トラブルが発生すると焦ったことによって取り返しのつかない行動を行うケースは少なくありません。大切なデータを失わないためにも、ぜひこの記事を参考にしてみてください。

 

もしかして故障!?よくある5つの故障原因

データの保存先としてここ約10年で普及している「NAS」は、主に多くの企業で使用されている記憶装置となっています。また、最近では家庭用の機器も販売されるようになっているので、ビジネスシーン以外にも幅広く使用されています。

ここでは、そんなNASが故障するよくある5つの原因についてまとめてみました。それぞれの原因ごとに現れる症状やその時のNG行為なども合わせてご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

本来のランプが赤く点灯・点滅している

装置を起動すると本体のランプが赤く点灯、または点滅している場合、何らかのエラーが発生している状態です。この故障は装置に対する知識があまりない方でもわかりやすい症状となっていて、ランプが点滅する回数や点灯する場所からエラー原因を判明することができます。

エラー原因は装置のマニュアルから確認できるので、まずは該当するものを試してみると良いでしょう。しかし、場合によってはマニュアルでは症状を改善できないケースもあり、その場合はシステム障害が発生している場合があります。

改善する方法としてエラーが発生したHDDを交換する方法がありますが、機器を入れ替えることで初期化されてしまうので絶対に行わないでください。初期化されると保存データを全て失ってしまうので、プロの専門業者に相談しましょう。

 

起動後に聞きなれない音がする

装置を起動した後に「カチカチ」「ジージー」など、聞きなれない音が発生するのもよくある故障の1つです。この原因には内部パーツの異常が考えられます。内部にはデータを記録するための磁気ディスク、データを書き込むための磁気ヘッドという部品が使用されています。

そして、ヘッドに異常がある場合に聞きなれない異音が発生すると言われています。また、この状態のまま使用し続けると機器そのものが破損してしまうので、「何か変な音がする…」と感じた場合にはすぐに使用を中止してください。

 

本体のディスプレイにエラーが表示される

製品によっては本体に小さなディスプレイが付いたNASがあります。このタイプの装置によくある故障の1つとして、「RAID崩壊」「E14」などのエラーが表示されることがあるようです。

このようなエラーの原因ですが、文字通りRAIDが崩壊している、または装置のフレームに異常がある可能性があると言われています。また、崩壊したRAIDをすることで改善できると言われていますが、この方法はデータ消失の可能性があるのでNG行為です。

 

突然ブザー音が鳴り響く

故障の原因によっては突然大きな音でブザーが鳴り響くことがあります。通常であれば絶対に聞くことのない音なので、経験のある方は非常に驚いたのではないでしょうか?この症状が現れる原因にはさまざまなものありますが、HDDのシステム異常による可能性が高いと言われています。

この場合、保存データを守るためにもすぐに装置の電源を切って専門業者に相談しましょう。再起動を繰り返す行為は状態の悪化に繋がるので、むやみに電源の入切をするのは控えましょう。

 

EM(エマージェンシー)モードが起動する

よくある故障としてEMモードが起動するというものがあります。これは装置を起動するためのソフトウェアが何かしらで壊れていることが原因となっており、バッファロー製品にのみ発生すると言われています。

特有の症状なので知らない方も多いとは思いますが、バッファローの公式サイトではファームウェアをアップデートすることで改善できると紹介しています。しかし、公式サイトによる対処法ではありますが、アップデートの実行はデータ破損や状態悪化に繋がる可能性があるのでNG行為となっています。

 

NASが故障した!そんなときの対策方法

記憶装置は消耗品なのでいずれは何らかが原因で故障してしまいます。そのため、定期的にバックアップを取ることが推奨されていますが、実際にはあまりされていないケースが多いようです。

そこで、ここではNASが故障したときの対策方法についてまとめてみました。この装置は膨大なデータの保存・管理を目的として使用されているため、データ復旧が必要となると高額な費用が必要になります。不要なコストを無くすためにも、NASを利用されているのであれば以下の内容をぜひ参考にしてみてください。

 

トラブルが発生したらすぐに電源を切る

NASの使用中にトラブルが発生した場合は、すぐに機器の電源を切って使用を中止してください。というのも、故障した機器の使用を続けてしまうとより大きな負荷をかけることになるので、状態の悪化を招く可能性が高くなるからです。

状態が悪化すると障害レベルがどんどん高くなってしまい、プロの専門業者でもデータ復旧が困難になるケースがあります。そのため、もしもの場合でも高確率でデータを復元できるように、トラブルが発生した場合には速やかに電源を切って専門業者に相談しましょう。

 

自分でHDDの入れ替えをしない

NASは複数のHDDを使用する記憶装置となっていて、一部に異常がある場合は機器の入れ替えを考える方が多い傾向があります。しかし、入れ替えを行うと保存データが残っているその他のHDDまで初期化されてしまい、全てのデータを失ってしまいます。

つまり、バックアップを取っていない場合はデータ復旧が困難になりますし、最悪の場合は復元ができなくなる可能性も考えられます。そのため、故障したからと言って自分でHDD入れ替えを行うのではなく、専門業者に相談することをおすすめします。

 

むやみに操作を続けないこと

機器の調子が悪いと感じたとき、多くの方は機器の再起動をされるのではないでしょうか?また、場合によっては複数回行うというケースもありますが、トラブルが発生した機器に通電を繰り返すのは状態を悪化させる原因になります。

また、エラーが発生した場合にはエラー内容によっての対処法がありますが、その方法が正しいものとは限りません。マニュアルに従って行ったのに症状が悪化したというケースはたくさんあるので、トラブルが発生したときにはむやみに操作を続けないことが重要なポイントになります。

 

NASの故障によるデータトラブルはプロに相談すること!

多くの企業に使用されている記憶装置「NAS」は、永遠に使用できる機器ではなくいずれ故障してしまう消耗品です。そのため、前兆としてよくある故障でもご紹介した症状が現れることもあれば、前触れもなく突然故障してしまうことも少なくありません。

そんなときは、専門的な知識と技術を持つデータ復旧業者に相談してみましょう。故障の原因に対して適切な処置を施すため、高い復旧成功率が期待できます。機器の初期診断や見積りは無料で行っているところが多いので、困ったときは気軽に相談してみてください。