壊れたHDDからデータを取り出して復旧する方法

2021-6-2

最近ではSSDを搭載したパソコンが普及していますが、HDDはデータの保存や管理に便利な機器なので、現在でも使用されている方は多いのではないでしょうか?しかし、これらの記憶媒体は永久的に使用できる機器ではないため、「パソコンが起動しない!」「ファイルが開けなくなった」など、突然トラブルが発生することも少なくありません。

そんなとき、機器の状態によっては専門業者に相談するほどではない場合、自分でデータ復旧ができないかと考える方は多いのではないでしょうか?しかし、どのような状態であれば自分でデータを取り出せるのかわからない方もいるはずです。

そこで、この記事では壊れたHDDから自分でデータ復旧を行う方法をご紹介していきます。データを取り出し作業を行うときの重要なポイントや手順などもご紹介しているので、ぜひ参考にしてみてください。

 

データを取り出す際の重要なポイント

壊れたHDDからデータ復旧を行う方法をお伝えする前に、作業を行う上で知っておくべき重要なポイントをまとめてみました。何も知らないまま取り出し作業を行うと、安全にデータ復旧を行うことができなくなる可能性があります。

目的のデータが仕事で使う重要なもの、または思い出となる画像や動画など、このような大切なデータを取り出せなくなるのは困ってしまうものです。このような状況を招かないためにも、以下でご紹介するポイントをまずはしっかりと押さえておきましょう。

 

症状を悪化させない

データの取り出しを行う際に重要なポイントとなるのが、現時点での症状を悪化させないことです。一番に注意してもらいたいのが機器に衝撃を加えないこと。HDDは衝撃に弱いので機器の下にクッション性のあるものを敷いておくことをおすすめします。

その際に熱がこもらない工夫も行っておきましょう。内部に熱がこもってしまうと症状を悪化させてしまう可能性があるので、復旧作業を行う際には注意しましょう。

 

復旧作業にできるだけ時間をかけない

障害が発生している機器は通電させる時間が長くなるほどHDDに負荷をかけることになります。負荷がかかると症状や状態の悪化を招くので、データの取り出し作業にはできるだけ時間をかけないようにすることが大切です。

ちなみに、最近ではデータ復旧ソフトを使って自分で取り出す方法がよく紹介されていますが、これはHDDに対して大きな負荷をかけることになります。そのため、復旧ソフトを使用する場合はクローンHDDを作成し、作成したクローンから復旧ソフトを使ってデータの取り出しを行うことをおすすめします。

 

自分でデータを取り出す行為は自己責任

この記事を読んでいる方の多くは、HDDにトラブルが発生している、または故障によってデータ復旧を必要としている方だと思います。そうした方の多くは、この記事をはじめさまざまな復旧方法を紹介する情報を調べているのではないでしょうか?

そして、実際に情報を頼りに自分でデータを取り出す作業を行うと思いますが、必ずしも復旧に成功するという保証ありません。場合によっては複数の障害が発生している、実は自分で対処できない障害が発生していたなどがあるため、実際にデータ復旧を行う際は自己責任であることを理解した上で行ってください。

 

自分でデータ復旧が可能な範囲

データ復旧を自分でできる範囲は限られています。しかし、パソコン関連に詳しい方でなければ、その範囲がどこからどこまでなのかを知らない方は多いのではないでしょうか?そこで、ここでは自分でデータ復旧が可能な範囲についてご紹介していきます。

パソコンの操作や必要な周辺機器などを知っている方は多いですが、このように少し専門的な知識が必要となる情報を知っている人は少ないものです。それでは、復旧可能な範囲について見ていきましょう。

 

論理障害が原因なら自分で対応できる

一言でいうと、障害の原因が論理的なものであれば自分でデータ復旧が可能な場合があります。一般的に知られている方法としてはデータ復旧ソフトを使うというもので、論理障害となるソフトウェアのトラブルが原因の場合であれば、ほぼ復旧可能だと言われています。

しかし、データ復旧ソフトの使用はHDDに負荷をかけてしまうので、まずは故障したHDDから可能であればデータを取り出す、クローンHDDを作成するといった方法を試すことをおすすめします。このような手順については以下でご紹介していきますので、後ほど参考にしてみてください。

 

時々発生するセクタ不良も可能

HDDの故障の原因となるものの中にはセクタ不良というものがあります。このセクタ不良は物理障害に分類されるものですが、自分で復旧作業を行うことができると言われています。

しかし、取り出し作業中に機器に負荷をかけてしまうため症状が悪化する、場合によってはデータを消失するといったリスクが伴います。そのため、安全なデータ復旧を行うのであれば、専門業者に相談することをおすすめします。

 

自分でのデータ復旧が不可能な範囲

ここでは、自分でのデータ復旧が不可能な範囲についてご紹介していきます。可能な範囲と同時に不可能な範囲を知っておくことで、間違った復旧作業を行う心配がなくなります。また、不可能な範囲に該当する場合、それ以上の操作を行うと状態悪化に繋がる危険性があるので、すぐに機器の使用を中止しましょう。

 

物理障害が原因の場合は自分で復旧できない

経年劣化による機器の故障、衝撃を加えたことによる破損など、このような物理障害が原因となるデータトラブルは、自分で復旧作業を行うことができません。機器そのものに問題があるので、専門業者でなければデータを取り出すことは不可能です。

また、物理的な障害が発生している機器に負荷をかけてしまうと、症状の悪化によってデータ復旧が困難になる、または復旧不可能になります。そのため、機器自体に問題があると感じた場合は早急に使用を中止してください。

 

物理的な障害や異常は専門業者に相談

物理的な障害が発生した機器からデータを取り出すのであれば、プロのデータ復旧業者に依頼しましょう。専門業者であればどのようなトラブルが原因でもデータ復旧に対応しています。

また、専門的な知識に加えて高度な復旧技術を持っているので、高確率で復旧に成功するケースが多いです。そのため、物理障害によって故障したHDDからデータを取り出したい方は、データ復旧業者に相談してみましょう。

 

修理業者はデータ復旧に対応していない

機器が壊れた場合、多くの方は修理業者やメーカー修理へと相談する方が多い傾向があります。確かに、壊れたHDDの修理・交換はこのような専門業者が対応していますが、データ復旧には対応していないので注意が必要です。

修理業者やメーカー修理はあくまでも壊れた機器の修理や交換のみの対応となるため、こちらに依頼するとHDDは正常な状態になって戻ってきますがデータは全て失われます。そのため、壊れた機器の中に大切なデータが含まれている場合は、修理業者やメーカー修理ではなくデータ復旧業者に相談しましょう。

 

自分で復旧作業を行う際の手順

自分でデータを取り出す際の手順は以下の通りです。

 

  • 1壊れたHDDを別のPCに接続
  • 2読み出せるデータがあれば取り出しておく
  • 3コピーツールを使ってクローンHDDを作成
  • 4認識されない場合はパーティションテーブルを修復
  • 5ファイルが読み出せなければファイルシステムを修復
  • 6問題が解決しなければファイルのスキャンを実行

 

壊れたHDDからデータを取り出すには別のパソコンへの接続が必要なので、接続するために必要な専用アダプタが必要です。そのため、作業を行うのであれば事前に準備しておきましょう。

接続後、場合によっては壊れた機器からデータを確認できる場合があります。その場合は必要なデータをコピーして別の記憶媒体に保存しておきましょう。しかし、故障した機器からデータをコピーしているのでエラーが発生する可能性があります。

そんな故障した機器からキレイにデータを取り出すのであれば、クローンHDDを作成し、作成したクローンにデータ復旧ソフトを使用してみましょう。この方法であれば故障した機器に負荷をかける心配がないため、症状を悪化させる心配がありません。ここまでの工程でデータの取り出し・確認ができなければ、手順④~⑥を試してみてください。

 

自分でデータを取り出すには知識が必要

壊れたHDDからデータを取り出すのであれば、事前にそれなりの知識が必要になります。対応可能な範囲や不可能な範囲の把握、データ復旧の手順など、これらを知っておかなければ作業はできません。

また、ご紹介した方法を試したとしても確実にデータを取り出せる保証はなく、場合によっては機器の状態が悪化してしまうことがあります。このような状態に不安を感じる方は、プロのデータ復旧業者に相談することをおすすめします。

データ復旧業者を選ぶ際はデータ復旧協会DRAJに加盟している業者を選ぶとより安心です。下記記事で紹介しておりますので、ぜひ参考にしてみてください。

DRAJとは?データ復旧依頼はDRAJの会社から選ぶべき理由