Raidが故障した?安全にデータ復旧する方法

2021-2-4

サーバーの性能向上によって利便性を高めることができる記憶装置「Raid」。複数のハードディスクを使用しているため、1台が故障した程度ではデータを失う心配がなく、冗長性に優れているのが大きな特徴です。

また、某内なデータの保存先としても活用できる他、転送速度の高速化も期待できるため、作業効率を向上させることができる記憶装置となっています。最近では家庭用としても販売されているので、仕事やプライベートを問わずデータ管理に利用している方は多いのではないでしょうか?

しかし、どんな機器にも共通して言えることですが、何らかが原因で突然故障してしまい、データ復旧が必要になる場合があります。そこで、今回はRaidが故障したときに安全にデータ復旧を行う方法についてご紹介していきます。

 

トラブル発生!よくある4つの故障原因

どんなものでも、発生したトラブルに対応するには原因を知っておく必要があります。原因によって対処法が異なりますし、効率よく対処するためにも何が原因であるのかを突き止めることが大切です。

しかし、知識のないものに対しては原因を突き止めることが難しく、なぜトラブルが発生したのかわからずに困ってしまうもの。ここでは、Raidによくある4つの故障原因についてまとめてみました。

 

HDDが故障している

一般的な記憶装置には1台のハードディスクが内蔵されていますが、Raidの場合は複数の機器が内蔵されています。そのため、冗長性が高く1台のみの故障であれば問題なく利用することが可能です。

しかし、2台以上の機器が故障してしまうと正常に稼働できなくなります。また、「1台目が故障した時点で対処すれば良いのでは?」と思われがちですが、故障に気づかずに使用を続けてしまうことが多いことからよくある原因の1つとなっているようです。

 

劣化や衝撃などによる制御機能の故障

Raidでは複数内蔵されているハードディスクを1台の記憶措置としてまとめる制御機能というものがあります。しかし、長年の使用による経年劣化や何らかが原因で衝撃が加わるなどが原因で制御機能が故障してしまうことがあります。

他にも、ホコリの付着や熱暴走などが原因となる場合もあります。機器内部には知らないうちにホコリが溜まってしまい、起動時に発生する熱の排出が上手くできず、熱に弱い内部の精密機器がダメージを受けてしまいます。また、熱暴走に関しては設置する場所や室内温度が関係していることもあります。

 

構成情報が破損している

ハードディスクや制御機能が故障した場合、構成情報も破損してしまうと言われています。この状態だけであればデータ復旧の成功率は高いと言われていますが、誤って構成情報を再起動してしまうというケースがあるようです。

トラブルが発生すると再起動を行い初期化までしてしまうことがあるので、そうなると復旧不可能になってしまいます。そのため、何らかの故障が判明した場合は、すぐに使用を中止して初期化を行わないようにする必要があるでしょう。

 

仮想的に作成されたドライブの破損

よくある故障原因の中には、ハードウェアの故障だけでなく仮想的に作成されたドライブが破損しているというものもあります。Raidでは仮想化ソフトを使って物理的なドライブと同じように扱うことが可能な記憶装置です。

そのため、仮想ドライブが破損するとファイルの閲覧ができないといったトラブルが発生します。破損の原因となるものに関しては、誤操作による仮想ドライブの削除や保存データの破損などが考えられます。

 

故障時にデータ復旧を安全に行う方法

冗長性の高い記憶装置ではあるものの、原因がある場合はもちろんのこと、問題なく使用していたとしてもいずれは故障してしまうもの。そんなときに困ってしまうのが保存データの復旧ではないでしょうか?

ここでは、故障時にデータ復旧を安全に行う方法についてまとめてみました。機器の故障によってデータトラブルでお困りの方は、ぜひ以下で紹介する方法を参考にして、大切なデータを取り戻しましょう。

 

まずは現状を確認して原因を見つけること

Raidが故障していると感じたのであれば、まずは現時点の状態の確認を行い、トラブルの原因を見つけることが大切です。ちなみに、機器の現状はユーティリティから確認可能となっていて、ハードウェアの故障であれば「劣化」、機能性の異常がある場合は「非アクティブ」などの文字が表示されるようです。

しかし、確認場所となるユーティリティはシステムによって違いがあるため、事前に使用中の機器のマニュアルを手元に用意して、適切な指示に従って作業を行うことをおすすめします。

 

プロのデータ復旧専門業者に相談する

最近では無料で使用できるデータ復旧ソフトを使った方法がよく紹介されています。復旧ソフトなら自分で復旧作業を行うことができますし、手間はかかるものの無料で行えるのでコスト面でお得な方法となっています。

しかし、Raidの場合はハードウェアの故障が原因であるケースが多いので、復旧ソフトを使用した対応は不可能だと言われています。そのため、安全なデータ復旧を行うのであれば、プロのデータ復旧専門業者に依頼しましょう。

専門業者であれば専門的な知識と技術を持ったスタッフが対応してくれますし、適切な作業環境が整っているので高い成功率が期待できます。しかし、データ復旧専門業者では機器の修理を行っていないので、修理が必要な場合はメーカーに相談してみましょう。

 

メーカーに相談してもデータ復旧はできない

「データ復旧はメーカーに相談することはできないの?」といった疑問を持つ方が多い傾向があります。結論から言うと、メーカーに相談できるのは機器の修理や交換であって、データ復旧には対応していません。

誤ってメーカーに依頼すると機器自体は正常に使用することはできますが、故障した部品を交換しているだけなので保存データは失ってしまいます。そのため、データ復旧を目的としているのであれば、データ復旧専門業者へと相談、または復旧依頼を行ってください。

 

データ復旧時の4つの注意点

誰でも急なトラブルには慌ててしまい、やってはいけない行為を行いがちです。その結果としてデータ復旧が困難になる、または不可能になる危険性があるので、誤った行為はデータ損失に繋がります。

ここでは、データ復旧時の注意すべき4つのポイントをまとめてみました。以下でご紹介する注意点はデータ復旧率の低下を招く原因になるので、安全な復旧を行うためにもしっかりと把握しておきましょう。

 

機器を取り出して単体で電源を入れない

Raidではそれぞれのハードディスクに同じデータが保存されているので、故障した機器だけを取り出して単体でパソコンへと接続し、データ復旧を試みる方がいるようです。しかし、そもそも単体で使用できる機器ではないので、パソコンに接続してもデータへとアクセスするのは不可能です。

さらに、トラブルが発生している状態で電源を入れてしまうとデータを破損させる恐れがあるため、復旧成功率の低下や復旧不可能な状態になるので危険です。

 

自分で新しい機器へと交換しない

故障時の対応として機器の交換が紹介されていることがありますが、正しい知識のない状態で行うのはNGです。というのも、交換の際に順番を誤ってしまうと構成されているシステムの規則が崩れてしまい、正しく機能しなくなります。

さらに、このような状態でデータが上書きされてしまうと復旧が不可能になり、全てのデータを失ってしまうことになります。そのため、自分で新しい機器へと交換する行為は避けましょう。また、Raidカードも同様に自分で交換すると復旧困難な状態になるので注意が必要です。

 

再構築の実行はNG!

トラブル発生時の対処法として再構築が紹介されていることがありますが、正常な機器にまで問題が発生してしまうのでNG行為となっています。故障の疑いがある機器の状態悪化や仮想ドライブの破損に繋がる恐れがあり、復旧不可能になるといった大きなリスクを伴うので要注意です。

 

安全なデータ復旧はプロへの相談がおすすめ!

トラブル発生の原因として多いのは物理的な機器の故障です。このような状態の場合はデータ復旧ソフトでは対処できないので、専門的な知識と技術を持ち適切な作業環境が整っているデータ復旧業者に相談しましょう。また、トラブルが発生した場合はNG行為を避けるためにも、必要以上の行動は控えることが大切です。